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第33話 知られてしまったあとでは、やさしささえ少し痛い

last update publish date: 2026-09-07 19:00:36

 月曜日の朝、久瀬湊人は目覚ましが鳴る前に目を開けた。

 眠れなかったわけではない。

 けれど、深く眠れた感じもなかった。

 文化祭の日の非常階段。

 たった数秒の通話。

 振り返った先にいた、三人の顔。

 鳴海すばるの、信じたくないものを聞いてしまった顔。

 倉科紬希の、声も出せないほど揺れた顔。

 柊坂真白の、“今のは何”を飲み込んで立ち止まった顔。

 どれも、目を閉じるとまだ鮮明だった。

 正体はまだ知られていない。

 でも、もう何も知らないままではいられない。

 その感覚だけが、朝の胸のあたりへ重く残っている。

「……行くか」

 小さく呟いて、布団を出る。

 制服に袖を通し、鏡を見る。

 顔色は悪くない。

 少なくとも、教室へ入る前に「何かありました」と言って
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